Asia特集&コラム

キャリアマネジメント

Lesson06.自律型・三次元T型会社員”を目指せ(1)

〝 会社内でキャリアを磨き、自分の市場価値を高める 〟

会社内でキャリアを磨き、自分の市場価値を高める

前回、第五章では、組織にとらわれず、創造的な仕事をする、モバイルキャリアを持つ人達のことを紹介しました。

しかし、海外、シンガポールで働く読者の皆さんの多くは、企業に属して働いており、自分の会社が好きな人も多いのではないだろうか。

その会社にいつか、愛想をつかされないためにも、ぜひ、社内で自分の価値を高めながら、社外でも通用するキャリアを目指そうではありませんか。

雇用のあり方や、働き方がどんどん変わっていくこの現代に、皆さんが会社内外での価値を高めるキャリア形成を行うために、次に何を目指したらいいのか?その目指すべき、ひとつの方向性についてお伝えしていきます。


受身型一次元社員から、自律型三次元社員へ

まず、市場で価値のある人材とはどのような人材であろうか?

評価をする人や企業でその定義は様々だと思うが、ここでは、人材の能力が高く、証明できる実績があり、会社の業績を上げるために貢献している人と定義してみる。

結論から述べると、これからの市場で価値の高い人のキャリアとは、通常、横軸をキャリアの領域の広さ、縦軸を深さ、高さを実績とすると、その人の能力と実績、専門分野によるキャリア領域の形が、このような三次元のT字になる。

三次元T型人材のキャリア

すなわち、この「T」文字型人材のゼネラルマネージャーの例では、経理・財務・人事・経営戦略などの広がりを持ちながら、マーケティングについては、自ら強みとして専門的知識や経験を持つ。

小文字の「t」文字型人材は、スペシャリストとして市場価値がある人材といえる。

しかし、なぜ、このようにT型でないと価値が高まらないのか?

その大きな理由には、従来の日本企業における幹部候補生(政府系だったらエリート官僚)育成は、ジョブローテーションで、様々な職域を経験、知識を得てきたが、結局は何も専門性を持たない人材を企業が大量に育成してしまった反省に基づいている。

図の横軸だけで、縦軸がなく、「一」文字型の人材=何も強みがないゼネラリストのキャリアである。このようなキャリアの場合、少し厳しいが、「何もできないのが、ゼネラリスト」と市場で言われているのが現状だ。

反対に、縦軸だけの「I」文字型の人材は、専門性は高いが、それ以外の分野にはまったく無知で、言葉は悪いが専門バカに近い状態を言う。つまり、自分の専門領域だけを知っているだけでは、他の分野の人と仕事をしたときに、客観的な正しい判断ができないのだ。

以上、次に目指すべきキャリアの方向性を皆さんに簡単に解説したが、今後、三次元T型を目指して、ひとつひとつ能力と実績のブロックを増やしていくことが、次のキャリアに重要な価値をつくるのである。
■ お薦め参考本:「ビジネスリーダーへのキャリアを考える技術つくる技術」
グロービス・マネジメント・インスティテュート著 東洋経済新報社

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