インキュベーター・インスティテュート齋藤一恵のブログ

2016 年 3 月 のアーカイブ

2016 年 3 月 31 日 木曜日

シンガポール人材・採用管理とクラウドHR活用のススメ

シンガポールで、小さな会社の雇用契約書の作成から大手企業の組織の人事制度まで多様な人事プロジェクトを経験してきた
インキュベーターインスティテュートの齋藤Kazです。

そのシンガポール人事管理規程の策定、人事制度の仕組みづくり、はたまた従業員の労働環境を見てきた経験から
HRクラウドソリューション活用が、どのように人事アドミン業務ワークを削減し、データベース化によって、経営上、業績管理にも分析データを提供することになるのか? そして、どの方向性に人事部の能力を上げていくべきなのか?

そんなことを海外シンガポール、アジアで外国人スタッフを採用、管理、育成に関わる管理職の方に、人事だけの視点でなく経営や事業運営の視点からも、ITを活用したHR-Administrative work の効果的な使い方をお伝えしたいと思います。

シンガポール【人材・採用管理業務について】

従業員が5人の小さな会社も、200人いる会社も、経営者は必ずやらないとならない従業員に関するアドミン業務があります。それが、人材管理・採用管理です。
会社を経営していくなかで、とても重要なマネジメントですので、知らない人はいないと思いますが、ある程度の組織規模で働く若手の会社員ですと、どうしても人事は人事部の仕事、という意識がありますよね。

でも、最低限の人事管理業務、すなわち労務管理業務はどんなに小さな会社でも大手企業でも量が違っても、最低限の人事領域としての労務管理業務=HR-Administrative job でやるべき月次業務の種類はあまり変わらないのです。

「人事」、と日本語で話すと・・・皆さん、イメージや役割が様々。

中小企業さんに人事管理のお話をお伺いすると。

「うちは小さい会社だから、経理も総務も人事も兼任だよ」

「人事?アドミンのおばちゃんが紙ファイルつくって遅刻も有給残数の管理もやってくれてるよ」

「残業計算、給与計算、採用もHRがちゃんとやってますよ」

大手企業の人事専門担当者にお会いすると。

「うちは、まだ海外拠点の人事評価制度がちゃんと運営できていなくて・・」

「報酬制度が海外ではまだ統一できていなくて・・ローカル駐在員の手当とかどうしようかと」

「福利厚生制度をシンガポールのベンチマークしたうえで見直したいと思っているですけど」

という反応があります。

人事管理と言っても、実は経理よりも知識・専門業務の領域が広いことと、企業によって管理業務の範囲、マネジメントへの関与の仕方に大きな違いがあり、まったくイメージが違います。 しかし、HRとは、会社経営と従業員の職業人生の様々な場面で人・組織へのアプローチによる対応が求められます。

大きく横の領域で分けると、
【採用管理】【人材管理】【育成管理】でそれぞれの専門知識や業務管理領域があります。
経理や会計は、事業運営のお金の流れと結果を記録していく業務ですが、人事は、運営結果を記録する仕事だけでは機能せずで、能動的に人にアプローチしないと成果がない業務が広くあります。そこは、会計でいうと財務に近いですね。

解り易くすると図のようになります。

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とにかく、どんな規模の企業のHR担当者にもお話しているのは、このグローバルなビジネス環境から、人材市場から評価される「人事部門」は、従業員カスタマーサービス部門、そして社内ブランディングを高めるマーケティング戦略部門の役割を求められれているという方向性についてです。それが、欲しい人材を寄せ付け、逃がさないための一つの企業の魅力になりうるからです。

一方で海外拠点と言えども、日本企業で務める日本人駐在員の多くの方たちは、日本国内の会社と商品の認知度、ブランドから、海外でも企業ブランド、認知度が高いと思い込んでいるところがあります。
また、日本、日本人、日本企業のカスタマーサービスの良さはどんな小さなお店でも会社でも高いサービスレベルという評価がありまして、それと会社の市場ブランドがごっちゃに認識されている方が多いのです。

商品の認知度が高く、顧客の満足度を上げるために様々な施策を重ねてきておりますから当然、商品やサービスの評価は高いです。 
一方、その商品やサービスをつくり、事業の構成要因である社内の従業員に対してのサービスは、表向きの会社の行動とは想像できないレベルでの対応になっているケースがあります。 これは日本企業の文化なのか?? という理解が難しいことがあります。
個人的には、この態度は、日本人の「内と外」の精神文化に基づいていると考えているのですが・・

私が普段、シンガポールの現場を拝見して感じていること。
それは、日本企業の海外拠点は、本当にITとHRが10年以上、その彼らが競合しているシンガポールやその他の外資企業の現場の実践から遅れていて、時が止まっている現場が多いのです。
この普段、黙っていられない私が一度、現場を見て、絶句してしまったケースがあります。

それは。ある大手メーカーさんのオフィス。
就業規則をリニューアルするプロジェクトで3ヶ月の期間、毎週のように検討会議で通いました。
ある日。
日本人総務部長(経理、人事、総務担当)が、
「齋藤さん。シンガポールのMC、メディカルリーブって、メディカルサティフィケートを持って来れば、有給で処理しますが、その日数の管理とか、医療費の承認ってどう判断すればいいのですか?」

と言われて。
「御社は、現在、どのように有給管理されているんですか?一度、拝見させてください。」

オフィスのアドミン担当者にお願いして見せてもらいました。

すると。。。
「誰がいつ、有給、病気休暇とりました、日付、サイン」という手書きの一覧表でした。

まるで、うちの会社が使っている会議室予約フォームのような一覧フォームに手書きで、日付、人の名前、サインでした。

これは・・・・やばいと思い、本当に沈黙してしまいました。
(そういう間に何か言わないといけないと思うタイプの私で。)
大手企業さんの担当マネジャーの前で、唾を飲み込んで。

ただ、それを披露してくれたローカルスタッフに
“All right ! Thank you so much! But, how do you manage that’s approval by management ?”
と聞いたら、”Just submit to accounting manager!”
というわけで、病欠有給申請、医療費の会社負担清算も条件チェックなしで、経理が清算。
(そういうことね・・・苦笑い)でした。

私はこの時、初めて日本企業のアジア拠点はもっとIT化と人事マネジメント新しくしないとやばいかも!!と決意したのでした。
今日はもう長い文章になってしまったので、ここまで。。(^_^.)

2016 年 3 月 9 日 水曜日

日本人にとっての海外インターンシップと欧米諸国の企業にとってのインターン生

私は90年代に海外留学、インターンシップをしたい人へキャリアカウンセリングをしてインターンシッププログラムの手配のサポートを仕事にしていました。日本国内の学歴だけで、職業選択が制限される常識のなかで、海外にいって勉強しなおして、自分のやりたい方向の仕事に挑戦する道筋を海外での専門的な勉強をすることで、キャリアチェンジできるよ!! という信念があり、それが、私の最初の起業でした。

当時、海外インターンシップといえば、「お金と人の労働力搾取」じゃないか?と思うような業者がいて、個人的には「それって、どうなの??悪徳じゃないの?」と思っていました。
悪徳業者を一掃してやりたいという気持ちで、人の人生のカウンセリングについて勉強して、産業カウンセラーの資格をとり、人の人生を左右する海外留学、インターンシップを希望する社会人向けにカウンセリングと手配のサポートをするカウンセリングオフィスを東京、上野で設立したのが、私の最初の起業の情熱でした。

当時、それは、その本人がそのプログラムに100万円以上、お金を払って、現地で提供された部屋に家賃もちゃんと払い、海外の企業に派遣、研修生として働くというパターンでした。

アメリカや、イギリス、オーストラリアなどでは若者のインターンシップ受け入れがある意味、企業の社会的な活動として定着しているもので、日本でいうとアルバイトと同等レベルの仕事が与えられることが常識的。

「日本の若者の「夢の実現」か「やりがい搾取」か、米VC・Fenoxの騒動で見えたシリコンバレーインターンの実情」
http://jp.techcrunch.com/2016/02/26/fenox/

この記事にある企業での体験は、日本人にとってはシリコンバレーというブランドも含めて確かに魅力的だと思います。
この記事で見えてこないのは、日本人を中心とした56人のうち、何人がこの会社で採用になったのかなあ? と思うけど実際、雇用計画ゼロが前提でも、「若者の就業体験を提供する」ことが一般的な目的なので。

日本企業の若者インターンシップ受け入れの実践が進化していないなあと思うのと、日本の場合は、優秀な学生採用のひとつの手段と考えていて、お客様扱いの企業が多く、海外のインターンのあり方と比較すると「搾取」に見えやすいかもしれない。

2016 年 3 月 8 日 火曜日

海外人事のマネジメント用語Vol.1

私は、シンガポールで10年、様々な業界、規模の日本企業の現場での人事マネジメントに関する問題に対峙してきました。 15年前、シンガポール来た私も本当にHRMの専門書や資料を読むのに何度も辞書を引いてました。

海外赴任が初めて、人事のことは初めて、人事畑だけれど、海外での人事管理に関わるのは初めて、という方にとってまずは英語での人事管理用語を辞書で調べて・・となると思います。

そこで、この10年間のなかでの経験で知ったこと学んだことを、これから、シンガポールや海外に赴任して管理職としてチャレンジしたり、本社の方がグローバル化への一歩を人事領域で踏み出すときに必ず、辞書で調べたり、誰かに聞きたいと思うようなことをブログでどんな立場の方にでも、人事管理用語の単語帳なるものを日本語で共有していきたいと思いました。

海外でローカルスタッフをマネジメントするうえで、人事のご担当だけでなく、現場のマネジャー、日本本社の海外拠点の管理ご担当者にとっては、海外のスタッフが欧米系、または現地国の教育を受けてキャリアを構築してきているので、日本人にとってはアジアの優秀な人材にとって何が仕事をするうえでの動悸、モチベーションになるのか? なかなか想像ができない日本人幹部の方の様相に遭遇します。
海外拠点で管理職が、マネジメントの英語も知らないの?という経験をしてしまうと、ローカルスタッフからは、正直、「ええ?こんなことも知らないの?」と驚愕とともに、管理職として評価が下がり、ボスとしてなめられてしまいます・・・。
そこで、知っておくべき人材マネジメントの英語用語とそのロジック、なぜ?それが一般的になっているのか?その背景と飲み込み方を個人的な見解でご紹介し、海外人事のための用語をブログでご紹介、共有していきたいと思います。
今後、アジアパシフィック地域へ、日本からの中小企業の進出が加速しているなかで、初めて海外赴任して外国人の部下を持つマネジャー、海外で働く日本人経営者、グローバル展開を考えている本社人事部の方にもお役に立てて頂けたら嬉しいです。
ブログで海外での人材マネジメントにまつわるトピックスを体系的だとハードルが高いので、ランダムですみませんが、お伝えしていきたいと思います。

【海外人事・ヒューマンリソースマネジメント&デベロップメント用語】

まずは人事管理について。
Human Resource Management :
人事管理 人的資源管理 のことを呼びますが、人事部は、HR Department と呼称を点けるのが一般的です。

たまに、いち日本企業で昔から使っている人事部の名称で、Personnel (労務部)と名刺に書いている日本人の方がいらっしゃると、私はHRと変えたほうがいいですよ、とお伝えしています。

Human Resource Development : 人材開発 人材育成
Recuitment: 人材採用活動 
Hiring : 採用・雇用する 
*シンガポールのタクシーはお客を乗せているとHired という赤い文字が掲示されていますよね。御客に雇われてます、という意味ですね。
Employment Contract : 雇用契約
Wages, Salary : 賃金:月給  Basic salary : 基本給
Increment: 昇給  
Promotion : 昇格
Bonus: 業績給・ボーナス  
Resignation : 退職 (自主的)
Termination, Ray-off : 解雇 
Probation period: 試用期間
Benefit: 福利厚生  社員に対しての金銭的、非金銭的な待遇や様々な手当
Annual Leave: 年次有給休暇  *業界や職種によるが最低で7日~14日。ホワイトワーカーは初年度14日から。
Child Care Leave : 育児休暇 *母親、父親の両親に法定休暇として、子供が7歳になるまで年間6日付与 
Maternity Leave : 出産休暇 *シンガポールは法定で16週間 

日本で「管理部」と言いますと。
総務・経理・人事管理をひっくるめて、「管理部」と昔は呼んでいた会社も多いと思います。

しかし、管理部 を英語にしますと、Management Department , またはAdministrative office / dept.になります。 Department をDivision とか、Group と使うところもあります。
どちらにしても、英語で部署や肩書の名称を決めるときには、実はそこに所属する人の印象を決めることになるので、呼び名とは繊細な決め事なのです。

お読みいただいた方々で、私の国、業界ではこう呼んでますね~とか、何か補足のコメントがございましたら、ぜひコメント覧にくださいませ。 皆でシェアしていきたいですね。

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