インキュベーター・インスティテュート齋藤一恵のブログ

【訂正情報】日本政府は民間の力を復興へ活用するべき~シンガポール寄付金所得税控除の場合~

★3月30日午前10時までに開示していた内容に誤解を招く記述がありましたので訂正してお詫びします★
シンガポール国内団体を通じて日本震災義援金に寄付をしても所得税控除が適用されないという情報を公共団体IPCに確認しました。大変申し訳ありませんでした。~

シンガポールという国には、仏教、ヒンズー教、イスラム教、キリスト教などの多様な宗教を持つ人たちが一緒に暮らしています。
しかし、宗教を大切にしている人たち=人として生きる道とその価値観を他者と共に大切にしている人達であります。どんな宗教であれ、彼らにとっては今の日本の悲惨な震災被害の状況からして、ここシンガポールでも日本を少しでもヘルプしよう!という動きが民間で活発になっています。

シンガポール政府は制度としても、社会的な弱者やコミュニティの問題に取り組む組織、NPOやNGOの活動に対して,チャリティ寄付活動を市民に奨励しています。

具体的には寄付金額の2.5倍の金額が所得金額から控除されます。
(しかし、残念ながら今回の日本への募金は「海外へのチャリティ対象」なので所得税控除は対象外とのことでした。)

このブログでは所得控除が250%だから、ぜひ寄付しよう!と言うつもりはサラサラないので、誤解頂きたくないのですが。
この制度を確認し、いち日本人としては、なるほど政府の賢い社会制度と奨励策に妙に納得してしまい、ボランティア団体が多くある日本政府は真似するべきだと思い、このブログを書いています。

特定の人による利益追求ではなく、社会の質を高めるための活動をしてくれる組織には、民間からの資金が使われるような仕組みにして、政府が管理運営の資金援助や維持の面倒をみなくても、民間から自然派生的に動機づけされてNPOへ資金がめぐるように制度をつくっているということ古代チンギス・ハーンの言葉そして、高所得の人にはこういう社会サービスに資金をどんどん、だしてもらいましょうということです。そして、忘れないのはそういう人を社会では賞賛します。

ここが、日本政府の寄付に関する政府の仕組みとシンガポール政府の仕組みが大きく違うところ。国民、民間社会の人々への動機づけを政府が制度として用意することで、寄付金の流れがサラサラと流れて、寄付した人も寄付された人もその組織もハッピーな仕組み。
さて、各国の寄付制度を調べたことはないのですが、まずはシンガポールで寄付した後、経営者や経理担当にとって気になる、シンガポールでの寄付に関する政府奨励、税金控除制度の要点をお伝えします。

<所得税控除の対象となる寄付の種類>

• Cash Donations 金銭による寄付(広告目的がないもの)
• Shares Donations 株式公開している会社株の寄付(個人株主限定)
• Computer Donations コンピューター機器物資による寄付
• Artefact Donations 美術品等の美術館への寄付
• Public Art Tax Incentive Scheme 公共施設への彫刻美術品の寄付
• Land and Building Donations 土地と建物の寄付

<シンガポール所得税控除制度>
シンガポールでは基本的には寄付金額の2倍額の所得控除制度でしたが、その後、2009年1月より、現在は寄付金額の2.5倍の金額を所得金額から控除する制度が実施されています。
2011年の財務大臣からのシンガポール予算の発表により、これをさらに2015年の12月31日まで適用を延長し、シンガポール国民、居住者による積極的なチャリティ活動への奨励制度がアナウンスされました。

<所得税控除を受けるための注意点>

所得税控除の申請はこちらで確認:IRAS Donations and Tax deductions

寄付先のチャリティ活動をしている組織がシンガポール指定の機関Institutions of a Public Character (IPC)に登録認定されていることが控除の対象となる基本条件。
このIPCオンラインから寄付をすると、寄付をする人・企業のID番号:NRIC/FIN/UEN が確認されて、税控除のためのレシートTax Deduction Receiptsを発行してくれます。
その後、IPCが税務署へ、その人・企業が寄付をした記録を送信してくれて、税金控除の申告が同時に可能で、あとで申告する手間が不要なのです。
“さすが、シンガポールのe-ガーバメントです!! “

残念ながら、個人納税番号がない+各省庁のIT化、情報連携ができていない日本では到底、真似できない技ですな・・・複雑な気持ち。

以前から日本のNPO団体への寄付文化や税制の問題点を指摘している人は多いのですが、残念ながら、思い切った奨励策が採用される様子がありません。今回の震災義援金のうねりから、政府が制度改革に動いてくれるといいのですが。

そもそも、社会で起きている様々な課題やコミュニティの問題すべてに行政が問題解決サービスを提供するのは不可能であり、行政がやらないほうが効果の高いサービス活動もあります。今の財政難の日本政府にとって、この震災復興資金は政府だけでカバーすることが困難なことは想像に難しくありません。
ちなみに日本の場合は、日本赤十字社など特定公益法人等への一年間の寄付金の合計から、5千円を差し引いた金額が、年間所得から控除されます。

個人的には、世界中からの支援が集まる超大手赤十字さんには災害時の医療系支援をお任せして、行政の手が回らない部分の自治体、地域住民支援にはいっていく小さなNPO, NGOに活動費を支援し、復興のためのステップに使ってほしいので、日本のそういったNGO団体にも寄付をしました。
ぜひ、定期的に?段階的に分割寄付していけたらいいですね。

正直、この2週間、震災と原発事故ニュースで眠れない心労を重ねた日々を過ごしましたが、被災していない私が落ち込んでいてはあかん!と気持ちを入れ替え、支援金も一度ではなく、今後の復興段階にあわせて、この元気なアジアから支援していけるようにビジネス頑張るぞ!と心を入れ替えました。

<ご注意> シンガポール国内団体を通じて日本震災義援金に寄付をしても所得税控除が適用されないという情報をIPCに確認しました。

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