インキュベーター・インスティテュート齋藤一恵のブログ

海外現地就職者のキャリア危機と組織的有効活用について(1)

一昔前までは、日本企業の海外拠点での日本人採用者は、ある意味、現地での「パッチ」、みたいな存在でした。以前は女性のキャリア価値としては残念ながら、それは、日本人管理職駐在員とローカル社員との間の隙間を埋めるための役割みたいな存在といえたと思えます。“patch a gap between”~の間の隔たりを繕う

しかし、今では海外で、最初はパッチだと思って採用した日本人でも、その後、優秀な業績をつくってくれる人材も少なくなく、彼、彼女らの功績をどうやって上司や会社は社内のキャリアパスのなかで評価していくのか? この点について、私はいつも頭の隅において、日本企業の経営幹部の考えをお伺いしながら仕事してきたというのが、自分自身の課題です。なかには、日本から送られてきた海外駐在員よりも優秀だったりして。

シンガポールは、昔の香港のように日本人女性がとても働きやすい場所です。
また、出世コースに意欲が低く、組織の政治に巻き込まれずにひとつの職業にまい進したい男性にも働きやすい場所。

日本人女性がシンガポールで働きやすい5つの理由

理由1: 男尊女卑の文化がない (逆に女性のほうが強いかも・・・)
理由2: 通勤地獄がない
理由3: 働くママになっても、家事をサポートするメイドサービスが使える
理由4: 世の中、組織に女性マネージャーが怖いくらいにごろごろといる(五割強が女性管理職)
理由5: 年功序列による絶対的年功キャリア常識があまりない=専門的キャリアによって評価される社会

そんなわけで、シンガポールは海外で働きたい日本人女性、いや、日本人女性だけではなく、ヨーロッパ、アジア各国からくる人たちに働く場所、そして住みたい場所として人気が高いのだ。

ただ、まったくそのマーケットの中心人物たちとは違う意識の日本人も存在している。
「シンガポール駐在員となった夫を持つ、妻である日本人女性」なのだ。
昔からある海外駐在員の妻、「駐妻」と呼ばれる日本人の女性たちである。
彼女たちも実は、この10年で人々の性質が相当に変化した。
なんせ、夫のために泣く泣く仕事を辞めて夫について海外引越ししてくる人がふえているのである。(私だって、ちゃんとキャリアをつくってきたのに・・のである)

人間、誰しも「自分があの国に行きた~い!」と思って、来た人間と、「行きたくもないのに、行けと言われたから仕方なく来た」というタイプでは、まったく物事の捉え方が違うのである。それは、その夫の男も同じ。

それが、長年、海外留学や移住などの相談にのった経験のある私の見解からすると、
シンガポールの日本人の90%は「行け!」といわれて本人の意思ではなく、飛ばされた日本人が多いのである。

これは、先進国の都市ではシンガポールは例外的な特徴。
NY、サンフランシスコ、ロス、シドニー、ロンドンなど、あの国と街に行きたい!住みたい!働きたい!という日本人が多いのが特徴なのですが、シンガポールだけは仕事上、義務的に飛ばされたことが理由で来た人が多いのである。(つづく)

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