インキュベーター・インスティテュート齋藤一恵のブログ

プレミアリーグだ!グローバル競争力国別ランキングTOP10

今月、世界経済フォーラムが発表した、世界ランキングです。

順位 国2010-2011   前年順位2009-2010
1.スイス                1
2.スウェーデン            4
3.シンガポール           3
4.アメリカ               2
5.ドイツ                7
6.日本                 8
7.フィンランド             6
8.オランダ              10
9.デンマーク             5
10.カナダ              9

グローバル競争力レポート The Global Competitiveness Report 2010–2011
出所:The World Economic Forum  

このレポート、原本は515ページにも及ぶ報告書です。 世界175カ国の経済政策と、経済を動かすための基礎環境、国内市場を動かす教育、技術力などの環境要因、ビジネスの洗練度、イノベーション度を基本評価にして構成した、その国が持つ競争優位性と将来性の指標をグラフにした成績表みたいなものです。 一度、自国と好きな国、取引先の国などを比べて見てみるのもいいと思います。

皆さんはこのランキングを見てどう感じますか?

私も含めた日本人の多くの人が日本に対して悲観的になっている今日この頃ですが、このレポートからは世界で比較したら日本はまだまだこんなにも成績優秀だということを再認識できました。ただ、当の本人は恵まれていることや、持ちえている魅力や資源に気がついていないのかもしれません。(それもまた不幸か?)

日本はヨーロッパのスイス、スウェーデン、ドイツよりも下位ではありますが、彼らの国は日本と同じように歴史もあり、自国の言語や文化を維持しながらも、経済的にも首位を保っていることに私は注目したい。
グローバル化とはいえ、日本にもまだ日本人の独自性を維持しつつの経済開発のやりようがありそうな気がします。ただ、個人的な考えとしては、日本は経済的な面だけをとりあげて先進国の座を維持するよりも、日本人にとってのハッピーを考えた経済構造と社会環境、世界でのポジションを持つことで日本人の幸福感が増すのではないかなと思っています。

ただ、個人の自己資産だけ増えても幸せだと感じることは精神的に社会文化的にも難しいみたいで、逆にそんなにお金がなくても、日本人が持つ勤労観、感謝する心や人へ思いやりを表現したり、されたりする、そういう場面のある職場や日常生活を可能とする社会環境で暮らすことのほうが、人々の幸福感が高まるのではないかなと思います。 

一方で個人主義的な勤労観と金銭的、消費欲求が高い価値観の人は、日本じゃないほうが幸せだと思います。今後、個人の価値観によって生活する環境、国を選ぶこと、すなわち日本人といえども多様化している価値観のなかでは今後、選択肢をもてることも必要なファクターになるのではないかと感じています。

MarinaBaySands ホテルの屋上プール 


一方で、いきなり先進国の先輩たちのなかに、成績優秀者として躍り出たシンガポール。アジアではナンバーワン! 国内マーケット規模は極小ですが、外国と外国人自身がビジネス活動する環境としても人気ナンバーワン。
シンガポールは国家戦略とアクションプランがみごとに明確。子供にも老人にも外国人にもわかりやすくプレゼンテーションしてきています。 

シンガポールの現在の経済を支える労働人口層の25~50代の人たちの親の世代は、学歴も乏しく貧困な時代を過ごしてきた世代でもあります。 子供夫婦が家や車を購入し、親にお小遣いを渡せる現在は、金・物で人との差別化を感じ、物欲を満たすことに幸せを感じやすいフェーズでもあります。

今日まで、シンガポールは「経済発展を第一優先に」してきている国で、政府は税金で集めたお金は本当に経済対策と高等教育の提供、ビジネス環境インフラに集中して投資してきたわけです。そして、そのリターンを国民に提供する。まさにその成果が、目にみえる成果としてあがってきていると思います。

日本人は「日本は小国で資源もない。」と、外国の大陸国に対して日本人がよく言うセリフのひとつですが、一方でシンガポールのすごさを話すと、「シンガポールは小さいからね。」(小さいからできるんだよ)」と結論を出す先輩日本人が多いのです。(その論理の矛盾にいつも?を感じます。)

なぜなら、日本に比較したら、シンガポールは石油どころか、国土面積さえもさらに小国で資源も人口も少ない、資源ないないづくしの国、ある意味、貧乏な家系に生まれた子供のようなものです。 限られた資源のなかで、人に投資して成長してきたのがシンガポールだといえます。

私は、今の日本がこれまでおざなりにしてきたと思う点があります。
それは、自国のビジョン、明確な対策と計画、選択と集中による実行、官民を超えた優秀な実行部隊、外国人労働力の活用政策、外交政策・自国マーケティング戦略が完全に日本には欠落していると思うのです。
実はちょうど、シンガポールには日本がおざなりにしてきた部分へ特に集中してきた事例とその成果がここにあると感じています。 
“一度、決めたら脇見をふらずに目標達成するために集中して実行”
だからこそ、短期で目標達成ができたのだと思います。長期スパンの目標を達成するための短期の実行。

日本で遭遇した雨上がりの二本の虹です。これもハッピー♪


今の日本はとにかく貧困率も拡大しており、早急な経済の建て直しが国内からも、世界からも期待されているわけで、それなら官民など関係なくできる人、優秀な人や国から学びながら実行していくべきだと強く思います。 グローバル経済の時代なのに、まだ日本島の地図しか思考のなかに写っていない政治家は国家のリスクや優位性、マーケットポジションの視界が国内だけになりがちなので、「国内からはどう見られるのか?その影響は?国外からはどう見られるか?その影響は?」という、常にそういう思考の癖をつけるべきだと思いますね。

ひとつだけ言えることは、日本はこれまで民間人が優秀だったから、ここまで成長してこれたのだ、ということを痛感。 民間の日本人たちが構築してきた多くのリソースが国内の足元にあるのに、なにか国のマネジメントシステムがそれを活かしていないようで、まじめに働く現場の公務員、民間の日本人は働いても、働いても報われないシステムという感じでしょうか? 

最後に。
シンガポール人が日本人の一人当たりの国内総生産GDPを追い抜いた時に、この話をシンガポール経済開発庁(EDB)東京担当のシンガポール人との雑談で。

私:「シンガポールはすごいよね、とうとう日本のGDPも追い越してしまいましたよね。いや~凄い。尊敬しますよ。」

シンガポール人担当者:
「いえいえ、そんなとんでもない、日本は技術が凄いし、素晴しい国ですよ。シンガポールは本当に小さい国ですから・・。」
と、さらにへりくだる日本語を使って話すシンガポール人担当者に、
私は完全マイリマシタ・・・。

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