インキュベーター・インスティテュート齋藤一恵のブログ

今年の感想総集編と感謝の言葉

今年ももう、あと二日でフィナーレを迎えようとしています。

シンガポールで日系企業を担当しているコンサルタントとして、世界とシンガポールの動向を踏まえながら、今年感じた、率直な感想をまとめてみたいと思います。

今年は、2008年の年末から押し寄せてきた金融不況の波に、シンガポールも例外なく飲み込まれました。

特にシンガポールは金融ハブ都市を目指して、環境、法制度を整備してこれまで沢山の外国人や外資を引きつけてきた名実ともに金融ハブとタックスヘブンの都市です。

しかし、不況モードに突入したきっかけは、世界中に余波がいった、リーマンブラザーズの破産。ここ、シンガポールの保険、金融、年金もほとんどがアメリカ金融機関と連携していましたから、そりゃ~もう!

シンガポールも、しっかり打撃は一時に受けましたよ。

しかしながら・・・回復が早い!!!!

日本は、あれだけ日本銀行がアメリカ国債を義務的に大量に買っていて、それを売ることもできずにアメリカの大不況に道づれになりましたよね。

海外から日本を見守っていたなか、やっと日本が2008年には景気が上向きになってきたところでした。

個人的には、せっかく失われた15年から、少し前に進化しようとしている日本のその時でしたから、今年の初めは本当に「なんて残念な運命なんだ・・・」と感傷的になりましたよ。

実際に今年は、シンガポールの日系企業が当社の売上の90%な事情もあり、当社も売り上げがいきなり下がりました。それは、人事管理プロジェクトのなかでも、特に「人材育成のための教育費」です。

その前の年から、来年こそはローカル人材の教育や、管理職研修をやりたいと言っていた、数人の日本人の経営者も今年になってから、いきなり、フェードアウトしてしまいました。

一方で、その日本企業と外資マルチナショナルカンパニーとの違いを見せつけられました。

もちろん、マルチナショナルカンパニーも人を一時期、今年初めには整理解雇しましたが、「教育投資はゼロにはしない」のです。でも、日本企業はいきなり、全従業員に「やるか?やらないか?」の 1かゼロの判断とやり方なのです。

これは、長期的に見て、どれだけ企業の組織をつくるグレードと人材価値への影響があるのだろう?と、考え込んでしまいました。

確か、昔は「人材育成の日本企業」というブランドがあったのは、もうとっくにアジアでも死語なのでしょう。

不況でも、マネージャー達への教育費は削らない企業と、教育費と人を削る日本企業とは、どれだけ企業価値があるのか???と私は、日本人ながらに悔しさとせつなさに落とし込まれた1年でした。

結論は、日本企業の多くは、海外拠点のローカル人材や駐在員には、「手段として金はだすけど、親心=育てるための愛のお金はださない」というような状況を沢山、見てしまいました。。(泣)

一方で、当社では「整理解雇」のためのコンサルティングプロジェクトが、今年は増えました。

ただ、クビキリして人件費を削減するのが、経営上のリストラクチャリングではないですよ!と、50代の日本人経営者の人達に、生意気にも伝えてきました。そんな場面が多かった今年でした。。。

できれば、日本国内の政治がもっと経済を活性化するための政策をうち、産業界の人達が、「日本企業でよかった!」とおもえるような対策を、さっさとやってほしいです。

なぜなら、日本人という民族の人達は、世界の色々な民族と比較すると、

「仕事第一主義生活」なんです。

だからこそ、仕事でうまくいき、会社が利益をつくり、社員と家族に利益が還元できて、街中で沢山、消費してほしいです。 だって、日本人の大多数は「仕事命」な人達だから、それなりに働いて、稼いで、消費して幸せになってほしいな。

基本的に日本人という民族は、不動産や金融投資して、キャピタルゲインで稼いで、毎日、仕事もなくゴルフ、温泉やら、暇そうにぶらぶらしていられるような社会環境と性格ではないと思うのです。

ただ、一方でこの10年以内に、外資系の金融、投資家会社で働いた経験のある日本人の人達は、もう世界のお金の視界が違いますね。実際に、リーマンショック前までは、相当に稼ぎましたから。

実際、そういった経験のある日本人が、この2年位にシンガポールに続々とビジネスやら、移住やらしてきましたよ。

これは、各人の人生の価値観なので、日本の昔からある、「日本文化的善と悪」ではないのだ。

別に「金儲けして、何が悪いのだ?」という人達も、自分の人生をよりよくしたくてそうしているだけ。

日本は、残念ながら、お金儲けして沢山税金を納めた人が、別に称賛されるような社会でもなく、どちらかというと、これだけ稼いだけど、人に妬まれるから年収は秘密にしたい、でも、個人では「ええ?一生懸命に稼いだのに、半分近くも税金にもっていかれるの?」というのが、ほとんどの人の感想だと思う。

だから、脱税して捕まる人もいるのでしょう。

しかし、高額納税者の人達が全員、脱税したいなんて思っていないのが日本人。

できれば、ちゃんと誇らしく税金を納め、人から尊敬されたらいい。

しかし、そんな「高額納税者として、街や村で尊敬されたり、得することが何もない!」のだ。それは、人間心理としてイヤなことだな~と思いました。

そこが、日本政府の人間心理掌握ができていない政治だなと、今年は特に感じました。

そして、シンガポール政府の人達は、どれだけそういう人間の欲と満足のバランスを熟知して、こういう制度をとっているのだろう・・・と、おののきましたね。

私は、できれば日本国のために働きたいと思っているひとりですが、民間でやってきた私が、政治の世界にはいってなにを発言して、どんな行動を「許されるのか?」が疑問です。

しかたないので、日本人のグローバル人材を育てるための活動をしながら、シンガポールに納税しているということですね。。苦笑

今年は、本当に日本という国が、あまりにも頼りなくて、日本のために何かしたくても、チェンジのための努力をしたら、それはそれでシニアの人達にイヤな顔される、という、どうしようもない日本と私、という感想ですね。

そんな、日本がもう、本当にあきらめたほうがいいのかもしれない・・と感じさせる場面が多かった、今年でした。

悩み多き一方で、今年、当社に研修や人事プロジェクトをご依頼頂いた企業とそのご担当者には、これまでにない大きな感謝を感じています。

だって、シンガポールにいる日本企業は、今年、人に教育投資するなんて、とんでもない、とにかく人件費をカットしたいという会社が多かったのですから・・・。

理想や夢を持つと、傷つくことになるという感じが、今年でした・・あはは。

どうか、来年の日本産業界は、世界でも実力があるのですから、中小企業がもっと海外に出て、頑張ってほしいと願っています。。

皆さま、どうぞ良いお年をお迎え下さい。 Kaz Saito

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